武田双雲(31)と言えば、「世界一受けたい授業」で「書道界の革命児」だとか「世界的な書道家」とかもてはやされて、小生など「苦笑」の連続の最近の書Performer(パフォーマー)だ。
これは、読売系の日本テレビで大宣伝をやっているもので、
何と2007/3/14の読売新聞夕刊10-11面には見開き一面の特集とは恐れ入る。

写真で見るとおり、作品は「一字書」という部類の書が中心で毎日書道展では、漢字部の「大字書」という分類になる。
これが、ネット版の百科事典によると「前衛書」と書くから如何にネット族の無知が分かろうというものだ。
作品は、見ても判るように、地方の展覧会へ出しても間違いなく「落選」という代物だ。
まして、入選率50%の毎日書道展に入選するなど夢の夢。
こんな事は、書を少しやっている書の愛好家なら直ぐに分かるはず。
ちなみに、小生の素性を明かすと毎日書道展の会員、(社)全日本書道連盟・正会員という立場にある。
嘘だと思ったら、今配布している毎日書道展出品表に同封されている「毎日書道」19/4/1。「59回展出品票の整理コード」の社中代表者として小生の名前が掲載されている。
さて、この武田双雲氏の経歴をHPから探ってみよう。
・昭和50年熊本生まれ。3歳から書を叩き込まれる。母である武田双葉に師事。現在は湘南にて創作活動を続ける。
・2003年上海美術館より「龍華翠褒賞」を受賞。
・イタリアフィレンツェ「コスタンツァ・メディチ家芸術褒章」受章
日中友好条約締結25周年記念
【中日美術作品交流展】
上海美術館に2003年2月20日~28日展示
「龍華翠褒賞」受賞作品
上海美術館より勲章授与
■イタリア フィレンツェ「チェントロアッファーニ」
で行われた「栄光のネオルネッサンス展」
日本代表出品。受賞
「コスタンツァ・メディチ家芸術褒章」 受賞
まず、この二つの賞であるが「書道」の賞としては聞いたことがない。
中国の書道というものは、日本の書と全く意味合いが違う。即ち、「芸術」と「教養」の違いと言って良いだろう。
それにしても何やら奇異だ。
そして、もし中国で書家として評価されるならば、必ず「肩書き」が必要なのである。
書を教えると言う立場なら、「大学準教授」「文学博士」位の肩書きはいる。
中国では、何の肩書きもない「武田双雲」氏というものは単なるただの人にすぎない。
いずれにせよもこの二つの賞が本物だとしても「書」ではないことは確かだ。
それにしても、その書作品と称する作品の酷いこと。
書家と言っているなら、こんなものは恥ずかしくて出せるものではない‥‥と思うが本人には判らぬのであろう。
読売新聞社なら、読売書法展というれっきとした書団体を抱えているはず。
そこには、このいかがわしい「武田双雲」氏とは全く比べものにならない「凄い」若い人材がいる。
女性でも当然、読売書法展の役員である評議員で、モデルを職業にする妙齢の美女も存在する。
なぜこの様な書Performer(パフォーマー)のロゴ作家を「世界的な書道家」、「書道界の革命児」ともてはやすのか全く疑問にたえないのだ。
そして、師匠は母の武田双葉(54)と言う事になっている。
ところがこの武田双葉氏と言うのがいささか疑惑の人物だ。
経歴は、HPから‥‥
読売女流展入賞、毎日書道展入賞、朝日書道展入賞、読売書法展入賞、熊日書道展入賞 等多数
井田峰月、坂口泰堂、高野英山 等へ師事。様々な流派を学ぶ。
まず面白いのは、
「読売女流展」入賞だろう。日本には「女流展」と称する展覧会は数え切れないほどある。但し、出品者は地域や中央の書道界「お偉い先生方」で公募展などないのだ。
「朝日書道展」検索してもこんなものは存在しない。毎日、読売、産経、東京など新聞社の名前を冠した書道展は数々あるが、朝日新聞社は公募書道展をやっていない。
次に、毎日書道展入賞、読売書法展入賞まあこの両方の入賞者というのはあまり多くない。
なぜなら、1984年に読売書法会は毎日書道会から分離独立したからである。だからもし、両方の入賞なら現在読売書法会の所属の筈。
そして、毎日書道展入賞、読売書法展入賞ならその前に、井口峰月という読売書法会参与会員(かな部門)の先生習ったのなら、一東書道会に所属しなければならない。
そして、その公募展での入賞歴があるはずなのだ。
その他、師匠は高野英山氏である。
高野先生は読売書法展評議員であるが、師匠が亡くなったわけでもないのにこの様に、師を転々する人物が毎日書道展、読売書法展などの賞を易々取れる風土なにない。
書を目指すものとしては、実は最初の師匠が肝心であって、その師匠が「漢字」なら一生漢字部門に、「かな」なら「かな」部門に籍を置くと言うのが常識である。
師を転々とする書家というものは、信用されない。
そして、新しい師匠についた時点から、1から出直すという無駄な時間は書家には残されていない。
まして、10年以下の書歴は初心者と見なされ、大学までの書歴は書歴として認められない事もある現実もある。
次回、その書風を検討してみよう。


by 吉永隆山
1590年・小説「水の城」「のぼ…